
お目当ての作品は『つるし柿|鈴木誠一』
今月6日(日)まで開催の「第120回記念 太平洋展中部巡回展」にて。
『つるし柿』内の影部分に着目してしまう。
その理由は、鈴木先生からデッサンを学んだ学生時代に、先生曰く「丸い物体の影は、丸だよ」と。“陰影?よく見えん”ことに乗じて角張った影を適当に描いていた時にやんわり。

なるほど!
いたく感動したことを覚えています。
その他にも「太陽に透けて耳は赤みがかっている」等、教えてくださいました。
我が父は絵が上手すぎることから、養子にもらわれそうになったほどでしたが、その遺伝子は、どうやら姪に引き継がれたとの弟談。残念。
しかし、最後の授業で「クラスで一番デッサンが上手くなった」との嬉しいお言葉をいただけたのは、ちょっとは「血」が作用したのかもしれません。(←そうではなく、影四角というマイナスからのスタートのせい、絶対)
四角といえば!
作品『猫じゃらし|よでん圭子』
その格好良さと色合いに、迫力にも魅入りました。
このように書くと現在の私は、デッサンが得意そうですが、全くもってのポンコツ。書籍『デッサンのすすめ (市民のための美術入門 1) |吉田敦彦』で現状打破!と試みながらも〜何十年も進まずストップしており、永遠のp.170で情けないです。

「第120回記念 太平洋展中部巡回展」での熱量が感じられる様々なタッチの絵画・版画・染織に圧倒されての今回の追憶。“自身では上手く描けずとも、こうして鑑賞できることは幸せだ”としみじみしんみり思いました。